大場 善明(昭和37年卒)
名越正泰氏(S59)から「北大の名馬スターライトを主人公にした童話がある」と伺いました。同氏から早速お借りした「おはよう白い馬」からその内容を紹介します。
1979年(S54)に岩崎書店から出版され、著者の加藤多一氏はS33年北大教育学部卒。在学中は北大童話研究会で活躍。札幌市役所、稚内北星短大教授の勤務を経て児童文学の作家活動に入りました。
「おはよう白い馬」の主人公フブキは、北大のスターライト(S47/2~59/12在厩)がモデルで、北大馬術部が舞台となっています。スターライトは<S41/4/4生、アングロアラブ種、栗毛、牝馬>でしたが、作品の中では芦毛の「白い馬」で登場します。北大馬術部時代は右脚の古傷を克服、全国大会のS49年全日学障害優勝(添田昌一氏S51卒)、S51全日本中障害優勝(長屋清隆氏S53卒)、S52全日学障害優勝(長屋清隆氏S53卒)など輝かしい記録を残しました。そのほか作品中に登場する「主将のタイボクさん」は部員の中畠孝幸氏(S54)、「女子部員のノンちゃん」は同じく南部(旧姓木村)憲子さんがモデルと言われています。
S52全日学 長屋清隆君 |
H3部報 |
ノンちゃんは、フブキの古傷に湿布と丹念なマッサージを繰り返し、大会の決勝まで進む様子を愛情籠めて描かれています。著者は「あなたはウマと話したことがありますか。」と問いかけます。挿絵(岩淵慶造)には「北18条馬場」、「ポプラ並木」などとわかるスケッチがあり、郷愁が誘われます。
加藤多一著「おはよう白い馬」 |
(おわり)